学校法人 巨樹の会 令和健康科学大学
2026年2⽉24⽇
運動⽀援プラットフォームの社会実装を推進
内閣府「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期」におけるテーマ「バーチャルエコノミー拡大に向けた基盤技術‧ルールの整備」の一環として、産学官ロジェクトの情報発信サイト「ホコラボ」を公開しましたのでお知らせいたします。令和健康科学大学が参画する本プロジェクトは、パーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)と共に生きる社会の実現に向け、体性感覚‧聴覚インタラクションに基づく運動支援プラットフォームの研究開発から社会実装までを一体的に推進します。
■サイトURL:https://hocolab-pd.orphe.io/

■「PDパンデミック」と社会的課題
パーキンソン病は、患者数の増加が急速に進む神経変性疾患であり、2040年には世界で約1,300万人に達すると推定されています(Dorsey & Bloem, JAMA Neurol. 2018)。この状況は「PDパンデミック」とも表現されるほど、深刻な社会課題となっています。
パーキンソン病に特徴的な歩行障害(すくみ足、小刻み歩行、突進歩行など)は、移動の困難化や転倒‧転落を契機とした寝たきり化に繋がるため、歩行障害の緩和や予防は極めて重要な取り組みです。また、パーキンソン病の症状には大きな日内変動があるため、日常生活で普段使いできるシステムの必要性が高いと考えられます。
■プロジェクトの狙いと中核技術
ホコラボは、日常生活下で活用可能な最先端技術を集結し、データ蓄積、データとモデルに基づく介入効果予測、個々に最適なタイミングでの介入によって、パーキンソン病の方の日常生活、そして未来をよりよくする運動支援プラットフォームの構築を目指します。
プラットフォームを⽀える3技術要素
・歩行障害計測:スマートシューズ
足に装着可能な小型センサで日常での歩行データを詳細に記録します。状態把握やすくみ足の予測、介入タイミングの制御等を可能にします。(Uno Y, et al., Sensors (Basel). 2022; doi:10.3390/s23010331)

・介⼊効果予測:神経筋⾻格モデル
神経‧筋・骨格を統合したモデルで歩行障害を再現し、データに基づく個別化介入の有効性をコンピュータシミュレーションで予測します。(Ichimura D, Sawada M, et al., J Neuroeng Rehabil. 2025; doi:10.1186/s12984-025-01596-x)

・最適感覚介⼊:体性感覚‧聴覚インタラクション
アシストスーツや歩行器、音楽介入システムが、スマートシューズ連動やモデルシミュレーション結果をもとにして、歩行を補助します。

【提供するサービス】
SIP支援期間後(2028年3月)には、訪問看護事業者と連携したサービスとして、以下の3つのサービスを社会実装することを目指します。
- 不活動予防サービス:スマートシューズによる活動データ計測と生活中の活動量維持サポート。
- 生活モニタリングサービス:周囲の環境も含めた日常生活のモニタリングと環境改善サポート。
- 歩行障害緩和サービス:アシストスーツや音・音楽を用いた個別化された歩行サポート。
■ “Walking with Parkinson’s, Creating Together.”
– パーキンソン病とともに歩む社会を、ともに創り出す。

「病と共に生きる」: “Walking with Parkinson’s,”
ホコラボプロジェクトの理念は、PDと向き合う毎日を「病と共に生きる」という価値観で捉え直す点にあります。パーキンソン病とともに歩む社会の実現がその使命です。
・「歩行に不安があっても自分らしく暮らせる」社会の実現。
・運動支援を通じたウェルビーイングの実現。
・すべての人が「自分らしい一歩」を踏み出せる社会の実現。
・技術開発にとどまらず、文化・社会の形成。
ステークホルダーとの共創: “Creating Together.”
情報サイト「ホコラボ」は、知識や開発ストーリーを共有するにとどまらず、当事者‧家族‧医療介護‧地域‧企業とつながり、意見を集めながらともに良いものを作り出せるコミュニティであることを目指します。
実施体制
本プロジェクトは、以下の産学官機関が連携して実施します。
参画機関(委託事業者)
| 機関名 | 主な担当領域 |
| 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 | プロジェクト代表‧神経筋骨格モデル開発‧体性感覚介入技術 |
| 国立大学法人 九州工業大学 | 歩行器開発 |
| 学校法人 慶應義塾 | 聴覚介入システム開発 |
| 学校法人 巨樹の会 令和健康科学大学 | リハビリ臨床実証‧社会実装検討 |
| 株式会社ORPHE | スマートシューズ技術‧ビジネスモデル開発 |
協力機関
| 機関名 | 主な担当領域 |
| ピュア・クリオ | 訪問看護、通所介護・サービス展開検討/実証支援 |
| dot cue | 訪問看護、通所介護・サービス展開検討/実証支援 |
| ダイヤ工業株式会社 | アシストスーツ・人工筋肉開発 |
| ローランド株式会社 | 音源提供/音楽技術支援 |
令和健康科学大学の役割
令和健康科学大学は、リハビリテーションの専門教育・研究機関としての知見を活かし、開発された運動支援プラットフォームの臨床実証および社会実装に向けた検討を主導します。 本プロジェクトでは、スマートシューズや介入システムが、実際のパーキンソン病患者様の歩行や日常生活にどのような変容をもたらすかを医学的・科学的根拠に基づいて検証します。また、協力機関である訪問看護事業者と連携し、研究室レベルの技術を実際の生活現場で無理なく継続的に活用できるサービスモデルへと昇華させ、地域社会への実装を推進します。
研究代表者コメント
(学校法人巨樹の会 令和健康科学大学 リハビリテーション学部理学療法学科 助教 澤田誠)
「リハビリテーションの究極の目標は、障害があってもその人らしく生き生きとした人生を送れるように支援することです。本プロジェクトは、最先端の工学技術とリハビリテーションの臨床知見を融合させ、パーキンソン病と共に生きる方々の『歩く喜び』と『生活の質』を再構築する大きな挑戦です。 大学として、技術の有効性を厳密に検証するだけでなく、患者様やご家族、そして現場の医療・介護スタッフにとって有益なシステムとなるよう、実証と対話を重ねてまいります。テクノロジーが日常のケアに溶け込み、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献できることを目指してまいります。」
法人概要
法人名:学校法人 巨樹の会 令和健康科学大学
所在地:〒811-0213 福岡県福岡市東区和白丘2丁目1番12号
本件に関するお問い合わせ先
ホコラボ お問い合わせフォーム:https://hocolab-pd.orphe.io/contact
※取材‧掲載に関するお問い合わせは上記窓口までご連絡ください。