
理学療法学科の岡 真一郎講師、濵地 望助教と、九州産業大学人間科学部子ども教育学科の田中 沙織教授による研究論文が、「理学療法学」にオンライン早期公開されました。
子どもの「走る力」は、どのように育つのでしょうか?
今回の研究では、4~6歳の幼児163名を対象として、「走る」「跳ぶ」「身体を支える」といった基本的な運動能力と、バランス能力、足の発達との関係について研究しました。
子どもの「走る力」というと、脚の筋力が重要だと考えられがちです。しかし今回の研究から、走る力には、立ち幅跳びにみられる瞬発力、連続して跳ぶための身体のコントロール、身体を支える力、そして土踏まずの発達など、さまざまな要素が関係していることが明らかになりました。
さらに注目したのが、身体のバランスを保つために重要な「前庭覚」です。前庭覚は、耳の奥にある器官で身体の傾きや動きを感じ取り、姿勢を安定させる働きがあります。
研究の結果、前庭覚を利用したバランス能力は走る力に直接関係するのではなく、まず「身体を安定して支える力」に関係し、そこから走る・跳ぶといった動きへつながっている可能性が示されました。つまり、子どもの運動発達には「速く走る練習」だけではなく、跳ぶ、身体を支える、バランスをとるなど、さまざまな動きを経験することが重要だと考えられます。
本研究成果は、幼児期にどのような運動経験が必要なのかを考えるための基礎資料となり、今後、保育現場や乳幼児健診などにおける子どもの運動発達支援への活用が期待されます。